新築も中古も含め、マンションの売れ行きが非常に好調な状態が続いています。
現在の不動産市場の活況は国の減税や補助金政策、在宅ワークの普及などが後押しをしている側面も大いにあります。売りたい皆さんにとってマンション売却で一番気になるのは売却価格です。
本記事では、価格設定の大事な判断材料になる売却相場について解説します。
2022年 エリア別・売却相場
不動産価格の高騰が続く最中、人口密度の高い都市の売却相場はどうなっているか、以下の7都市の近況をチェックしてみましょう。
2022年2月のレインズデータを調べ、そこから読み解いた情報を参考にしています。
東京都の売却相場
オリンピックも終わり、インフラ整備や土地開発が落ち着いた東京。このため、不動産価格もひと頃よりはだいぶ落ち着きを見せていますが、都心や駅周辺マンション価格の高騰は続いています。
東京は、エリアによって売却相場の平均価格が大きく異なります。桁外れに高いのが港区で豪華なタワーマンションが多いため、平均価格は8000万円となっています。次に千代田区や渋谷区、中央区が6000万円台です。東京都全体の中古マンション売却平均値は約5000万円となっています。
神奈川県の売却相場
神奈川には若い世代が多く、東京へ通勤している人も多くなっています。東京の不動産はちょっと高すぎるけれど、おしゃれな暮らしや美しい景色にはこだわりたいという人たちが集まってきます。
特に横浜ベイエリア周辺は、海の眺望や素晴らしい夜景で人気となっています。高額なタワーマンションが立ち並び、盛んに売買が行われて平均値を押し上げています。神奈川全体の中古マンション売却平均値は約3400万円です。
埼玉県の売却相場
東京のベッドタウンである埼玉では、東京に通勤する若い世代を中心に中古マンション市場の需要を押し上げています。駅前にあるマンションは特に人気で、売り物件が出るとすぐにたくさんの問い合わせが来るようです。
2021年初旬に比べて、1年後の現在は250万円ほど売却相場が上がっており、平均は約2600万円となっています。
千葉県の売却相場
埼玉同様、こちらも東京のベッドタウンとして人気の千葉県です。都心に通勤しているけれど、家は自然環境豊かなところに住みたい、と考えている人も多いエリアです。予算的にも手ごろな物件を見つけたいと考えている家庭にはピッタリと言えるのではないでしょうか。
地理的にも埼玉より割安で、売却相場の平均は約2500万円です。前年同時期よりも150万円ほど高くなっています。
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大阪府の売却相場
関西地方のメッカ、賑やかで人口も多く人気のある大阪です。観光地としても人気が高く商業が盛んであるため、不動産の平均値も他の関西圏に比べて一番高くなっています。
近畿レインズの最新データによると、2022年2月の大阪の中古マンション価格の平均は約2900万円です。前年同時期より250万円の上昇です。コロナの悪影響は最早受けていないと見て良いでしょう。
福岡県の売却相場
九州一の人口を抱える福岡県。福岡駅や博多エリアは大都会の様相を呈しています。九州各地から若者も集まってきており、不動産の取引も盛んに行われています。
西日本レインズのデータからも、福岡の中古マンション売却価格の上昇が見て取れます。成約件数は減っているのに売却価格は上がっていて、争奪戦の様相が伺えます。平均売却価格は2200万円で、前年同時期比17%増の上昇率です。
名古屋の売却相場
中部地方を代表する愛知県は、世界的大企業トヨタのお膝元です。名古屋駅周辺のマンションは人気が高く、価格も都心の駅前マンションに匹敵するところが少なくありません。
売却の平均価格最新データは約2200万円です。前月よりも40万円ほど下がってはいますが、前年に比べると約70万円上昇していることがわかります。
参照:
レインズデータライブラリー2022年東日本
レインズマンスリーレポート2022年近畿
西日本レインズサマリーレポート2022年
中部レインズ中部圏市場動向2022年
2022年 築年数別・売却相場
売却相場を大きく左右するのは築年数です。当然のことながら築浅物件は高く売れ、年数が経っている物件は価値が下がるのが常です。
新築で購入しても、一度誰かの所有物になった瞬間に2割ほど価値が下がるのがマンションと言われています。また、その価値は築20年で下げ止まるとされています。
関連記事:
築年数の目安は?古い物件にもメリットはある?気になるポイントをご紹介!
社会情勢による影響はどのくらいある?
激動の社会情勢と言っても過言ではない現代。様々な要因がマンションの売却相場にどれくらい影響を与え得るか、昨今の代表的な出来事を例に考察してみましょう。
これらによる悪影響を受けないためにも、状況をよく判断して売り時を見極めることが重要です。
新型コロナウイルスの影響
未だに完全収束の兆しが見えない新型コロナウイルスです。三密を避けるべく自宅でのリモートワークを推奨する企業が増え、家にいる時間が長くなりました。このため家をより快適な場所にしたいと考える人が増え、不動産購入者は右肩上がりに増えています。
業種にもよりますが、自宅でも仕事が成り立つことが分かった企業は、オフィスのテナント料や従業員の通勤費の節約、安全性、効率性などを考慮してリモートワークを継続導入するところが増えると予想されています。よって、新型コロナウイルスに関しては、マンション売却相場を上昇させる要因となるでしょう。
ウッドショックの影響
2021年から叫ばれ始めたウッドショックは、木造の建築物が多い日本の住宅業界にとって今、大問題になっています。日本は住宅用木材の約7割を輸入に頼っています。しかしコロナ禍を機に世界中で住宅建築ラッシュになっていることや、労働者の稼働や輸送用のコンテナ不足に拍車がかかったことで、急激な木材不足と高騰が起こっています。
マンションは基本的に鉄筋コンクリートがメインのため、直接の影響は少なめです。しかしウッドショックで戸建が立てられなくなった人がマンション市場に流れてくるため、売却価格の上昇に寄与するでしょう。
金融緩和の緩和の影響
住宅ローン減税や税金の優遇、補助金など、不動産価格を高騰させる要因にもなっていた金融緩和ですが、今後はこの恩恵が少なくなることが予想されています。コロナによる緊張状態も徐々に落ち着いてきたことや、他国の金融緩和終了が進んでいることを受け、日本の金融政策も通常モードにシフトしていくと言われています。
金利上昇や減税ストップとなれば不動産の需要も下がるため、そのタイミングを見極めて相場下落前に早めに売却することをおすすめします。
大阪万博の影響
2025年に開催が予定されている大阪万博は、大阪湾に作られた人工島「夢洲」が舞台となります。公共交通機関ともタイアップしてインフラ整備や宣伝が行われることが決まっており、特に大阪メトロは夢洲駅周辺の大規模開発に着手する予定です。このため新築、中古問わず大阪の主要駅周辺や夢洲周辺のマンションの価格は更に上がることが予想されています。
万博テーマの軸は「未来社会」ですので、テーマにふさわしい近未来型のマンションも新築されるでしょう。
このため、マンション建築や修繕に必要な材料、家電不足やコストアップに拍車がかかっているのも深刻な問題です。さらなる不動産価格の高騰が後押しされており、売却価格の上昇が続いています。
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相場より売却価格が安くなる場合とは?
自分で事前に調べてだいたいの価格を把握したにもかかわらず、相場より売却価格が安くなってしまう場合があります。
どのような条件の時にそれが起こり得るのか、自身のマンションの状況と見比べてみましょう。
①同じマンションから同じ時期に売却が出る時
転勤や異動の多い時期に起こりがちですが、同じマンションで似たような間取りの物件が売り出されると、細かく比較されてしまいます。特に一方の物件のほうが安い場合、値下げを要求される可能性が高まります。
逆に一方の物件のほうが高いと、自身の物件がより売れやすくなったり、多少値上げをしても不満が出にくいという恩恵があります。
②管理費や修繕費などが高すぎる場合
都心のマンションや築年数が経っている駅前マンションの場合、管理費や修繕積立金が高くて月々のローン返済額と変わらない、という話も少なくありません。管理費や修繕費がネックとなってマンションを断念し、戸建を選ぶという人もいます。
払い甲斐がないと感じられがちな費用であるため、これらが高いとやはり周囲のマンションよりも魅力が劣ってしまいます。こればかりは個人で決められることではないため、管理費と修繕費が高いマンションを売りたい場合は、物件本体の価格を相場より下げないと魅力が薄れてしまいます。
③修繕が必要な部分がある時
ボイラーや水回りが古くて劣化していたり壁紙が変色していたりと、ダメージのある部分をリフォームせずに売却すると、買い手からその分の値引き交渉を持ちかけられる可能性が高まります。
事前に修繕をしたくても、先述のようにコロナやウクライナ危機の影響で資材や設備が揃わず断念せざるを得ない売主も増えています。修繕の必要が出ないよう、普段から掃除や手入れを小まめに行いながら住むことが大切です。
相場より高く売却するコツとは?
自分のマンションを相場より高く売りたいと思うのが人情ではないでしょうか。高く売れれば、それだけ次に住む家の費用に充てられるようになります。
中古マンションを高く売るコツを4つご紹介します。
①売却査定をする際は複数の不動産会社に依頼する
ひとつの不動産会社のみとやり取りをすると、ワンパターンの売却価格しか知ることができません。少なくとも3つ以上の不動産会社に問い合わせ、提示される売却概算価格を比較してみましょう。
不動産ポータルサイトでは、住所や築年数、間取り、設備などを入力すると一括で10社ほどから売却見積額が送られてくるものがあります。あくまで概算ですが目安が分かるので、高額が出た不動産会社の順にいくつかやりとりしてみることをおすすめします。
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②自分に合った媒介契約を結ぶ
知り合いに直接売却するという場合は別として、他人に不動産を売却する際は基本的に売主は不動産会社と媒介契約を結ぶのが安全策です。媒介契約には以下の3種類があります。
一般媒介契約:
複数の宅建業者に依頼できる。購入希望者が直接こちらにアクセスしてきた場合は、業者に仲介手数料を支払う必要がなくなる。不動産会社側は手を抜きがちになる。
専任媒介契約:
特定の宅建業者に依頼する。不動産会社は仲介手数料を得るために熱心に動く。
専属専任媒介契約:
特定の宅建業者の顧客に売却しなければならない。途中で別ルートからの購入希望者が見つかっても、売却できない。
関連記事:
媒介契約の選び方とは?3つの媒介の違いは?知っておきたい不動産売却のコツをご紹介
専任媒介契約とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
③買い先行か売り先行か決めておく
マンションの売却を先にするか、新居を買ってから売るかを見極めることも大切です。買い先行は政府の金融政策の恩恵が少なくなりそうだという情報が入った時や、割安な物件を見つけた時です。
また、売却相場は今が天井だと感じているなら売り先行が良いでしょう。マンションの大規模修繕が近づいている場合は、修繕後に修繕積立金が増額される可能性が高まるため、売り先行が良いと言われています。
④売り出し価格を見直す
依頼した不動産会社が見立てた売却価格よりも敢えて高めに価格設定してみるのも、場合によっては吉と出る可能性があります。買い手のタイミングや価値観も千差万別ですから、ピッタリ合えばスムーズに高額で買ってくれるでしょう。
また、ある程度知識がある買い手は値下げ交渉を試みてくるため、それを見越して最初から値下げ分を上乗せした価格を提示しておくことも得策です。
マンションの売却相場を自分で調べる方法とは?
売るか否かを決める前に、まずは自身である程度相場を調べてみたいと思っている方も多いでしょう。自分のマンションの現在の価値は、非常に気になるところです。
業者に相談する前にまずは自分で調べてみたい、と考えている皆さんに、マンションの売却相場を自分で調べる方法として以下の3つをご紹介します。
①レインズ・マーケット・インフォメーションで確認
国土交通省が指定している不動産の流通機構を、レインズと言います。「東日本レインズ」「中部レインズ」「近畿レインズ」「西日本レインズ」の4つが存在し、プロの不動産業者がここの情報を基に不動産取引を行っています。
このプロ専用の情報を一般消費者も見れるようにしたのが、レインズ・マーケット・インフォメーションです。エリアや築年数、間取りなどの希望に合わせて、直近1年の取引情報をチェックすることができるため、タイムリーで具体的な取引相場を垣間見ることができます。
②不動産取引価格情報で検索
国土交通省は不動産を購入した人に対して購入価格や満足度などのアンケートを実施しており、回答データを集約しています。それに基づいて公開されているのが不動産取引価格情報です。
国土交通省からのアンケートのため購入者の回答内容の質は高く、信憑性の高いデータを見ることができます。エリア毎や取引時期に分けて検索できるため、知りたい情報にピンポイントで近づけます。
参照:
不動産取引価格情報
③不動産ポータルサイトで調べる
各不動産会社は、自社サイトでの物件PRだけでは十分な集客ができないため、不動産ポータルサイトに情報を掲載しています。SUUMOやアットホーム、ホームズなどが有名どころで、皆さんも名前をご存知のことでしょう。
エリアや間取り、築年数、その他詳細条件で情報を抽出できるため、利用者はより希望に近い物件情報を簡単に探すことができます。①や②と異なるのは、実際の売却価格が載っているわけではないというところです。購入希望者はその後、掲載価格から値引き交渉をすることが多いため、実際の売却価格は更に低くなっていることが多いです。
2022年マンションは売り時!
コロナやウッドショック、ウクライナ問題など、大きな出来事にハラハラすることの多い昨今ですが、たくさんの情報を仕入れて売却タイミングを間違わずに判断することが重要です。
金融緩和の縮小予定や世界情勢の悪化なども考慮すると今が天井で、2022年の現在が売却の逃げ切りタイミングではないかと考える人が増えています。
物件価格推移をチェックしてかしこく売却活動をしよう
いかがでしたか。より高くマンションを売却するためのポイントをご紹介しました。物件をなるべく良い状態に保ち、国内外の情勢や金融政策を複合的に見ながら、少しでも高く売れるよう素早く動ける準備と心構えをしておきましょう。
すぐに売却しない場合でも、不動産会社の担当者の方に随時情報をもらえる状況を作っておくことをおすすめします。
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