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買い替え特例を初心者向けにわかりやすく解説|メリット・デメリットや利用条件

2022.09.20
2023.04.03
買い替え特例とは? わかりやすく・シンプルに解説!

不動産を売却した際に利益が出た場合、税金が気になりますよね。そこで「買い替え特例」の利用を検討しますが、「買い替え特例ってどんな制度?」「条件やデメリットは?」など疑問や不安があるかと思います。

今回は、不動産の買い替え特例について、基礎から分かりやすく解説をします。買い替え特例を上手く利用して、税対策をしましょう!

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買い替え特例とは?

買い替え特例とは、不動産を売却する際に得た利益分の「譲渡所得税を先送りにできる」制度のことです。つまり税金の支払い分を一時的に、買い換えの資金に充てることができます。

いつまで先延ばしにできるかというと、買い替えた物件を売却するまでです。買い替えた物件を売却する際に必ず支払う必要があるので注意しましょう。控除されるのではなく、先延ばしになるというのがポイントです。


関連記事:
買い替え特例は不動産の税金対策になる?利用したほうが良いケースや注意点を解説

買い替え特例を理解する上で知っておくべきことは?

「家の模型と計算機を並べた画像」

前提として、買い替え特例は不動産を購入した時の代金より、売却時に得た金額の方が大きい場合に利用します。その不動産で得た売却益にかかる税金の特例です。売却益が出ない場合は、この制度を利用することはできません。

買い替え特例を利用する上で、譲渡所得税の算出方法を理解しておきましょう。どれくらいの税金が先送りになるのか大まかに知っておく必要があります。

まず下記3つの用語を確認しましょう。

■売買金額:
売却した際の金額のこと。

■譲渡費用:
不動産売却にかかった費用のこと。売却時の仲介手数料や測量費用、印紙税、建物を解体した場合は解体費用なども含まれる。

■取得費用:
不動産を取得するために払った費用のこと。土地や建物の購入代金や建築代金、設備費や一定の借入金利、仲介手数料などの諸費用、不動産取得税などの税金も含まれる。

 

譲渡所得は以下の式で計算ができます。

譲渡所得=売買金額-(取得費+譲渡費用)

算出した譲渡所得に、税率をかけることで譲渡所得税の計算が可能です。

不動産の購入価格が3,000万円、その物件の売却価格が6,000万円、買い換え先の購入価格が7,000万円の場合です。取得費を2,400万円、譲渡費用を300万円とします。

 

先ほどの計算式に当てはめると

譲渡所得税=「売買金額-(取得費+譲渡費用)」×税率

譲渡所得=「6,000万円-(2,400万円+300万円)×税率」となります。

所得税は、3,300万円×15%=495万円

住民税は、3,300万円×5%=165万円

このケースでは、合計660万円の支払いが必要になるということです。

 

どのような場合に利用すればいい?

買い替え特例を利用したほうがよい方は以下の2つの条件がそろっていることが重要です。

  • 譲渡所得が3,000万円を超える場合
  • 買い替え先の物件に生涯住む場合


まず、譲渡所得が3,000万円を超える場合とありますが、
3,000万円以下である場合「3,000万円特別控除の特例」を利用した方がお得になります。3,000万円までの譲渡所得にかかる税金が控除になるため、先延ばしをする買い替え特例よりお得と言えます。

そして、買い替え先の物件に生涯住む場合についてです。買い替え特例で税金の支払いを先延ばしした場合、その税金を支払うタイミングはその物件を売却する時です。つまり、子供の代まで住み続けるなどの場合は税金を支払わずに住むということです。

2つの点に注目して、3,000万円控除か、買い替え特例を利用するのかしっかりと検討をしましょう。

 

買い替え特例の適用条件は?

次に買い替え特例の適用条件について解説をします。

買い替え特例の条件は主に売却物件の条件と、購入物件の条件の2つに分けられます。

 

売却物件の条件

  • 居住しなくなってから3年以内に売却をすること
  • 2年の間、他の特例を利用していないこと
  • 売却金額が1億円以内であること
  • 売却相手が親族や身内でないこと
  • 自分自身が住んでいた家であること
  • 日本国内にあること

こちらが売却物件の条件です。

購入物件の条件

  • 建物の床面積は50平米以上、土地は500平米以下であること
  • 新耐震基準の物件であること
  • 耐火建築物の中古住宅である場合、取得日から25年以内に建築された物件であること
  • 日本国内にあること

こちらが購入物件の条件です。

 

買い替え特例のメリットやデメリットは?

「家の模型メリットデメリット画像」

次に買い替え特例のメリットとデメリットを確認しましょう。

買い替え特例のメリット

一番のメリットは、税金分の代金を購入資金などに充てられる点にあります。買い替えには多額の資金を有するので、その時に税金を支払わなくて良く、資金面に余裕を持つことができます。

次に、買い替えた物件を売却しないかぎり、税金を納める必要がない点です。さきほども触れましたが、生涯住む場合は税金を納めずに住むメリットがあります。

買い替え特例のデメリット

デメリットは、買い替えた物件を売却した際の負担が大きくなる点です。買い替え特例で先延ばしにした場合、再度買い替え特例の利用はできず、必ず支払う必要があるので注意しましょう。

次に買い替え特例は、他の控除と併用ができません。3,000万円の特別控除や住宅ローン控除などと比較してからの利用をおすすめします。


関連記事:
住宅ローン控除とは?知っておきたいポイントやシミュレーションの方法を解説

買い替え特例の手続き方法

「家の模型を横に書類に記入する画像」

買い替え特例は、確定申告と合わせて手続きを行います

確定申告は毎年2月16日〜3月15日までに手続きをする必要があり、買い替え特例を利用する場合、以下の書類が必要になります。

  • 譲渡所得の明細書
  • 売買契約書の写し
  • 売却した物件の各種証明書(前章の売却物件の条件を証明できるもの。耐震基準適合証明書など)
  • 売却した物件の登記簿謄本または登記事項証明書
  • 住民票

こちらの準備は早めにしておくことをおすすめします。

また、確定申告で分からないことがある場合は、確定申告窓口や税理士へ相談をしましょう。


関連記事:
マンション売却後は確定申告するべき?方法や手順をわかりやすく解説

 

admin-avt-18
宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー
溝部智佳子
買い替え特例には期限があるので注意してください
居住用の買い替え特例は、2023年の12月31日までの譲渡が期限になっています。延長する可能性もありますが、確実に適用したい場合には、早めのご利用をおすすめします。
事業用の買い替え特例とは期限が異なるので、間違えないように気を付けてくださいね。 >>プロフィールはこちら

 

その他の税制特例はある?

その他の特例として、「3,000万円特別控除の特例」や、「10年超軽減税率の特例」などがあります。買い替え特例との併用はできないので注意しましょう。

3,000万円控除は、譲渡所得の3,000万円までは控除になる特例のこと。

10年超軽減税率の特例は、物件の所有期間が10年を超えている場合、譲渡所得税の税率を引き下げができる特例です。

また、3,000万円控除と10年超軽減税率の特例は併用が可能なので、利用しやすい組み合わせです。

こちらの他の特例も検討しましょう。

 

「3,000万円の特別控除」と「買換え特例」どちらを選ぶべき?

譲渡所得が3,000万円以内である場合は、迷わず3,000万円の特別控除を利用しましょう。

3,000万円以内であれば、全額が控除になるので、先延ばしの買い替え控除よりお得です。

そして、3,000万円を超える場合は、買い替え資金に余裕があり買い替えた物件を売却する予定がある場合に利用しましょう。買い替え資金に余裕があれば譲渡所得税を先延ばしにする必要はないことと、売却する予定があるのであればその時の負担が大きくなるためです。

admin-avt-18
宅地建物取引士,ファイナンシャルプランナー
溝部智佳子
買い替え特例は譲渡所得が3,000万円以上の場合に利用できます
買い替え特例は、不動産の売却する際に出た利益に対する税金を先延ばしにできる制度のことです。譲渡所得が3,000万円以上で、生涯その物件に住み続ける場合に利用しましょう。また、その他の特例とも比較して、計画的な利用を心がけてくださいね。 >>プロフィールはこちら

 

マンションの売却は専門家に相談しよう

マンションの売却は、手順も多く長期にわたる活動が必要なため大変です。

マンションの売却を初めて行う方も多く、何から始めたらよいのかわからないことでしょう。

したがって不明な点があれば、不動産会社や司法書士・税理士などの専門家に相談したほうが間違いなく確実に売却できるでしょう。

 

■個別相談

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こんな方におすすめ:
・住み替えを検討中の方
・理想の物件・間取りが見つからない方
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