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「​​賃貸と持ち家で1300万円の差」って本当?どちらがお得か生涯コストを徹底比較!

2022.05.13
2022.12.28
賃貸と持ち家で1300万円の差って、本当の話?
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宅地建物取引士
小林輔
大学卒業後、大手不動産仲介会社に入社、15年間で1,300組のお客様のお手伝いをした実績あり。 プロとして、お客様のニ ...続きを読む

住宅の購入は人生で一番大きな買い物なだけに悩みはつきないですよね。

「持ち家か、賃貸か」さまざまなメディアでも取り上げられていますが、実際どちらがお得なのでしょうか。

今回はメリット・デメリットと生涯コストを比較した上で、どちらが老後に安心して暮らせるかまで詳しく解説します。

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持ち家と賃貸、それぞれの特徴とは?

まず、持ち家と賃貸、それぞれのメリット・デメリットについてみていきましょう。

持ち家のメリットとデメリット

【メリット】

  • 賃貸の物件と比べ、グレードの高い家に住めること
  • 自分好みにリフォームやリノベーションができること
  • 所有資産になること
  • 住宅ローン完済後は住居費負担が抑えられること


【デメリット】

  • 引っ越しのハードルが上がること
  • 住居のメンテナンスにコストと手間がかかること
  • 固定資産税がかかること
  • 収入が下がったり支出が増えた場合でも住居費を下げられないこと

【持ち家がおすすめの人の特徴】

  • 毎月の家賃支払いを無駄だと感じる人
  • 収入が安定している人
  • 十分な貯蓄がある人(頭金屋や諸費用の用意ができる)
  • 小さな子どもがいる人

関連記事:
持ち家を所有するメリットやデメリットは?おすすめの人も解説

賃貸のメリットとデメリット

【メリット】

  • 家族構成や住環境の変化に応じた住み替えがしやすいこと
  • 隣人トラブルも引っ越すことで解決できること
  • 設備や家屋の修繕に負担がないこと
  • 住居費をコントロールできること


【デメリット】

  • 持ち家と比べると間取りや設備が劣ること
  • リフォームや壁に穴をあけるなど、住居のカスタマイズができないこと
  • 一生涯家賃の支払いが続くこと
  • 老後、契約を更新できないことがあること

 

【賃貸がおすすめの人の特徴】

  • 仕事上、転勤の可能性ががある人
  • ずっと同じところに住むことに抵抗がある人
  • 単身や夫婦二人暮らしの世帯の人
  • 将来的に実家を相続する可能性がある人

 

持ち家の場合、月々の住居費(住宅ローン支払額と家賃)が同程度であれば、賃貸物件と比べ広めの家に住むことができます。また、設備についても賃貸向け物件よりも分譲向け物件のほうが整っていることが多く、子どもがいる世帯や共働きで家事負担を減らしたいDINKs世帯には持ち家がおすすめといえるでしょう。


一方、賃貸の場合、引っ越しがしやすく、身軽であることが大きなメリットとなります。
世帯主が仕事上転勤がある職種であったり、単身者、ライフプランの定まっていない家庭では賃貸に利がありますもし収入が不安定でも、引っ越すことで住居費の負担を軽減することもできます。



生涯コストの総額比較

以下からは、コスト面に焦点をあて、生涯コストの総額について比較していきます。

今回は単身者世帯にもファミリー層にも人気のエリア・東京都杉並区のマンションで、30歳~80歳までの50年間を暮らす想定のもと、シュミレーションします。

それぞれどのようなコストが、どれくらいかかるのでしょうか。

平均的な広さの1LDK(40㎡)の場合と、3LDK(70㎡)の場合にわけて見ていきましょう。

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持ち家の場合

杉並区の平均㎡単価は73.41万円/㎡(2022年1月~3月時点)なので、物件価格を

  • 1LDK(40㎡) 2,936万円
  • 3LDK(70㎡) 5,139万円

と設定します。

頭金を300万円、初期費用は平均的な物件価格の5%として換算しています。

 

1LDK(40㎡)

3LDK(70㎡)

初期費用

147

257

頭金

300

300

住宅ローン総返済額

3,330(7.9万円/月

6,114(14.6万円/月

管理費・修繕積立金

135(2.7万円/月)

135(2.7万円/月)

固定資産税

400(8万円/年)

600(12万円/年)

火災保険・地震保険料

55(1.1万円/年)

75(1.5万円/年)

大規模修繕(100万円×2回)

200

200

合計

4,567万円

7,681万円

※頭金300万円、35年ローン、金利1.39%/年で試算。

関連記事:
家の購入時の「初期費用」の相場は?マンション・戸建ての場合の違いも解説

 

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宅地建物取引士
小林輔
完済後は月々の支出がぐっと下がります
持ち家の場合、管理費や保険料、固定資産税は毎年かかるものの、住宅ローンの完済後は月々の支出がぐっと下がるのが大きなポイントです。
65歳から80歳までの15年分は1LDKで7.9万円/月、3LDKで14.6万円/月の支出がカットされることになります。 >>プロフィールはこちら

 

賃貸の場合

杉並区の家賃相場に基づき、下記の賃料で計算します。

 

  • 1LDK 12万円/月
  • 3LDK 18万円/月

 

初期費用として敷金、礼金、仲介手数料をそれぞれ1ヶ月分とし、その後は2年ごとの更新としています。

 

 

1LDK(40㎡)

3LDK(70㎡)

敷金・礼金(2ヶ月分)

24

36

仲介手数料

12

18

家賃(12ヶ月×50年)

7,200(12万円/月

10,800(18万円/月

管理費(12ヶ月×50年)

720(1.2万円/月)

1,080(1.8万円/月)

更新料(2年に一度、24回)

288

432

火災保険・地震保険料

55(1.1万円/年)

75(1.5万円/年)

合計

8,299万円

12,441万円

※管理費は賃料の10%として試算。

 

賃貸の場合、持ち家のように住み始めるまでに必要な初期費用はほとんどかかりません。しかし、住んでいるかぎり毎月家賃が発生することが大きな負担となります。

今回は50年住み続けるという設定での比較でしたが、賃貸の場合は退職などの収入が下がるタイミングで賃料の低い物件に住み替えることが必須となるでしょう。


30歳~80歳までの50年間を想定した場合の生涯コストをまとめるとこのようになります。

マンション

1LDK(40㎡)

3LDK(70㎡)

持ち家

4,567万円

7,681万円

賃貸

8,299万円

12,441万円

 

今回のシュミレーションでは1LDKの場合でも3LDKの場合でも持ち家に比べ賃貸の生涯コストが6割ほど高くなる結果となりました。

また、同じ広さの物件でも月々の住居費(住宅ローン返済額と家賃)が持ち家のほうが抑えられている点にも注目してくださいね。

物件やエリア、世帯の経済状況などによって条件は大きく異なりますので、この比較をもとに「持ち家のほうがコストがかからない」と言い切ることはできませんが、

 

  • 子どもがいてある程度の広さと部屋数がほしい人
  • 同じ住居費がかかるなら広さや設備面でグレードの高い家に住みたい人
  • 老後の家賃負担が不安である人

 

このような人には持ち家のほうがおすすめできるでしょう。

 

参照:

不動産取引情報提供サイト(マンション・戸建住宅の売買価格・相場・取引事例の情報公開サイト) (reins.or.jp)

東京都西部における直近2年間の市況推移(平均成約価格・平均m²単価・平均専有面積の推移)

【SUUMO】東京都杉並区(東京都)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場



賃貸と持ち家で1300万円の差って本当?

カップルの画像

数字をもとに賃貸と持ち家の生涯コストについてみてきましたが、一生賃貸で暮らす場合のコストについて「賃貸と持ち家で1300万円の差がある」という話を耳にしたことはあるでしょうか。

初出や前提が不明の話ではあるのですが、これについては

 

  • 65歳以降の家賃分
  • 同じグレードの家に住む場合の差額

 

という2つの説があるようです。

 

例えば、持ち家の場合、65歳で住宅ローンを完済すれば家賃にあたる分の負担がなくなり、80歳まで生きるという仮定では15年分の住居費負担が浮くことになります。

月々7万円の物件で暮らしていたとして、7万円×12ヶ月×15年=1,260万円となり、同じ住居費でも賃貸ではなく購入を選んでいれば、老後分の家賃は発生しないという論理です。


もうひとつは
同じエリア、間取りの物件に暮らす場合、持ち家のほうが月3万円ほど安く住めるという説です。

都内1LDKを3,000万円、フルローンで購入した場合の月々の返済額は9万円程度となります。一方、同程度の間取りの家賃相場は12万円で、差額は3万円ほどです。

(3万円×12ヶ月×ローン返済期間35年=1,260万円)

どちらの計算でもおよそ1,300万円の差が発生し「賃貸は損」ということになります。

 

これが「本当か?」というとあくまで仮定の話であり、物件や居住者の状況による、ということになってしまうのですが、

 

  • 賃貸の場合はリタイア後も家賃がかかる
  • 同程度の住居費であれば持ち家のほうが設備の充実した物件に住める

 

というのは確かなので、ひとつの考え方として参考にしてくださいね。

 

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老後には持ち家と賃貸どちらが安心?

楽しそうな老夫婦

持ち家と賃貸、それぞれのメリット・デメリットと生涯コストについて比較してきました。

ここまでのご説明を踏まえ、老後には持ち家と賃貸どちらが安心かを解説します。


関連記事:
老後はマンション暮らしがおすすめな3つの理由とは?戸建てと比較して徹底解説!
老後はマンションか一戸建てか|それぞれのメリット・デメリットを知って後悔しない住まい選びを!

【老後】持ち家だった場合

持ち家は住宅ローンを完済すればその後の住居費が大きく減るため、賃貸での暮らしに比べ経済的な負担はかなり小さくなります。長く住んでいる建物、地域で老後を過ごすことになりますので、ご近所付き合いなど人間関係の面からも安心感があるでしょう。

また、持ち家であれば自宅をバリアフリー仕様にリフォームすることも可能です。

自分や家族の足腰が弱ったり、介護が必要になったときも安心して暮らすことができます。

【老後】賃貸だった場合

賃貸の場合、生きているかぎり家賃の支払いが続きますのでしっかりと貯蓄をしておくこと、暮らしにあわせて住居費を含め家計をサイズダウンすることが必要になります。

子育て世帯では子どもが独立したタイミングで夫婦2人暮らしに適した物件へ住み替えるのが良いでしょう。

また、若いうちには見落としがちなのが「借りられなくなる」というリスクです。老後、収入が減ったことや認知機能の低下が理由で入居先を探すのが困難になったり、更新を断わられるケースがあります。

高齢になると家のなかのちょっとした段差も危険なので、高齢者向け住宅への転居を検討するなど計画的な住み替えが必要です。

 

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小林輔
老後は持ち家がおすすめ!
持ち家と賃貸で比較した場合、老後の暮らしを考えると持ち家の方が安心感があります。
生涯賃貸での暮らしを選ぶ場合は、家賃分も含めた老後資金を用意するなど、早いうちからの貯蓄計画を行いましょう。 >>プロフィールはこちら

 

ライフスタイルに合った選択を!

持ち家と賃貸について、生涯コストと老後という視点からご説明しました。

どちらの場合でもライフスタイルや経済状況、選択する物件によって左右されるため、一概に結論づけることはできませんが「老後を安心して暮らせる」という面では持ち家のほうがメリットが大きいのではないでしょうか。

人生100年時代といわれる現在だからこそ、ライフプランを立て家族との未来を考えたうえで、それぞれのご家庭にとって最善の選択ができるとよいですね。

 

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