マンションへの引っ越しを検討するとき、間取りや立地条件と同じくらい「マンションの向き」も気になりますよね。方角によって日当たりの良し悪しが大きく左右されるので、住居選びには重要なポイントです。
この記事では、それぞれの方角がもつメリット・デメリットや、その対策を紹介しています。それぞれの特徴を把握し、ライフスタイルに合う物件選びができるようお役立てください。
「マンションの向き」はバルコニーのある方角で決まる
「マンションの向き」とはすなわち、リビングのもっとも大きい窓、もしくはバルコニーやベランダがある方角をいいます。もっとも採光しやすい方角が「マンションの向き」とされているのです。
人気な方角のマンションは、価格が高くなる傾向にあります。そのため将来的に売却をする際も、人気な方角を向いている物件のほうが高値で売れるでしょう。
人気な方角の順番は「南→東→西→北」
一般的に、日当たりの良い南向きマンションは人気が高まります。
しかし、それぞれの方角には異なる特徴があるため、住人の生活パターンによって適した向きも変わってくるでしょう。
ここでは人気順に、それぞれの方角がもつ特徴と、どんな人におすすめなのかを解説します。
南向きの特徴
南向きマンションは日当たりが良く、日中を通して室内を明るく保てるため1番人気です。人気ゆえに価格も高めですが、売却をするときも高値で売れる場合が多いでしょう。
また、日当たりの良い物件は、ベランダで家庭菜園をする際に植物が育ちやすいメリットもあります。
南向きマンションは「日中を家で過ごすことが多い人」「家庭菜園をする人」「売却時にできる限り高値で売れる物件を選びたい人」などにおすすめといえるでしょう。
東向きの特徴
東向きマンションは、太陽が昇る方角に面しています。朝日が室内へ降り注ぐことで、ほかの方角に比べて、すっきりと目覚めやすくなるでしょう。
また、午前中から日差しが入るため、室温も早めに上昇しやすくなります。
東向きマンションは「朝型生活をしている人」「朝起きるのが苦手な人」「洗濯物を早めの時間に乾かしたい人」などにおすすめといえるでしょう。
西向きの特徴
西向きマンションは、太陽が沈む方角に面しているため、午後から夕方にかけて日差しを取り込みやすくなります。西日が夕方から夜にかけての室温を上昇させてくれるので、洗濯物を遅い時間帯に干しても乾かしやすいでしょう。
また、高層階で遮る建物がない場合は、どの方角よりも美しい夕日を眺められます。
西向きマンションは「夜型生活をしている人」「遅めな時間帯に洗濯をする人」「夕方の景観が好きな人」におすすめといえるでしょう。
北向きの特徴
北向きマンションは、日当たりがあまり良くない代わりに、南向きのマンションに比べて安めな価格となっています。日当たりが良くないと、住みにくいように思われがちですが、夏場は暑くなりにくかったり、日焼けによる物の劣化が少なかったりするメリットもあります。
北向きマンションは「家賃を節約したい人」「暑くなりにくい物件がよい人」「日焼けによる物の劣化がいやな人」におすすめといえるでしょう。
方角が北西に向くと北向きと比べて暗く感じません。日が一定に入るので、柔らかい日差しを期待することができます。
引っ越す前に日当たりを確認する方法
引っ越す前に日当たりを確認する方法は、主に以下の4つです。
- 日中に内見する
- 窓の大きさと位置を確認する
- 近隣に高い建物がないか確認する
- バルコニーやベランダの壁面と奥行きを見る
内見は日中に行い、窓から入る日差しを確認しましょう。リビングの窓が小さくても、天井付近に採光用の窓を設置することで、快適な日当たりになるよう調整している物件もあります。
内見の際は、周辺環境もよく見ておきましょう。検討しているマンションの近くに高い建物があると、時間帯によって日陰ができてしまうので要注意です。
また、バルコニーやベランダの壁が透明度の高い素材であれば、室内へ光が入ってきやすいでしょう。しかし、バルコニーやベランダの奥行きがありすぎると、太陽の高度によっては日が入りにくくなってしまいます。
方角別のメリットをご紹介
ここでは、それぞれの方角がもつ代表的なメリットを紹介します。
- 南向き:日中を通して日当たりが良い
- 東向き:朝日が入りやすい
- 西向き:西日が入りやすく日照時間が長い
- 北向き:日差しが入りにくいため、日焼けによる物の劣化が少ない
日差しが入りにくい方角にも意外なメリットがあるので、チェックしておきましょう。
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【南向き】日中を通して日当たりが良い
南向きマンションは日当たりが良好なので、日中は照明をつけなくても明るいです。日中を通して日差しが室内へ差し込み、ほかの方角に比べて暖かく、過ごしやすいでしょう。
また、夏場は太陽がほぼ垂直の位置になります。そのため室温は高くなりますが、窓から入る日差しが強すぎることはありません。
南向きマンションは、1年を通して快適に過ごしやすいといえるでしょう。
【東向き】朝日が入りやすい
東向きマンションは、室内へ朝日が差し込んできます。昇りはじめの低い位置から差す太陽の光は、部屋の奥まで届きやすいため、ほかの方角に比べて朝すっきりと目覚められるでしょう。
朝日によって早い時間帯から室温が上昇するので、冬場も起床しやすいのは嬉しいポイントです。
また、東向きマンションは午後から日差しが穏やかになります。そのため、夏場は日中に強い日差しの入る時間帯が短く、午後から比較的過ごしやすくなるでしょう。
【西向き】西日が入りやすく日照時間が長い
西向きマンションは、夕方から夜にかけて室内に西日が差します。夜になるギリギリまで日差しが入るため、もっとも日照時間の長い物件といえるでしょう。
また、洗濯物を午後から干しても日に当たるので乾きやすいです。
西日も朝日と同じく、低い位置から室内へ光が差し込み、部屋の奥まで日差しが入りやすいです。そのため、室温が上昇したまま夜を迎えることができ、冬場はとくに過ごしやすいでしょう。
【北向き】日差しが入りにくいため、日焼けによる物の劣化が少ない
北向きマンションは、ほかの方角に比べて日差しが入りにくいため価格が低いです。
また、日差しが入りにくい分、フローリングや木製インテリアなどの、日焼けによる劣化が少ないこともメリットといえるでしょう。
冬場の室温は、ほかの方角よりも低くなりやすいですが、夏場は強い日差しが入りにくいため、涼しく感じられるメリットもあります。
方角別のデメリットと対策をご紹介
それぞれの方角にはメリットのほか、デメリットもあります。
- 南向き:人気ゆえに価格が高い
- 東向き:午後から日差しが入りにくい
- 西向き:夏場は西日が強いため暑い
- 北向き:日当たりが悪く湿気が溜まりやすい
ここでは、それぞれの方角がもつ代表的なデメリットのほか、その対策について紹介します。
【南向き】人気ゆえに価格が高い
南向きマンションは、日当たりが良く人気があるため、ほかの方角に比べて価格が高くなります。日中ほとんど外出しているのであれば、南向きにはあまりこだわらず、ほかの条件を重視して物件を決めても問題ないでしょう。
また、日差しがよく入り込むゆえに、高層階の部屋は暑くなる可能性があります。
さらに、木製家具や書籍などが日焼けして傷みやすくなる場合もあるので、日中も薄めなカーテンを閉めておくなど、日差し対策をするとよいでしょう。
【東向き】午後から日差しが入りにくい
東向きマンションは早朝から日差しが入りやすい分、午後から夕方にかけて、日当たりが悪くなりやすいです。
そのため、午後から洗濯物を干す場合、なかなか乾きにくい可能性があります。洗濯はなるべく午前中に済ませるか、サーキュレーターや除湿器などを導入し、早めに乾かす工夫をするとよいでしょう。
また、太陽は東から昇って西へ沈むため、夕方の早い時間帯から室内が暗くなります。間接照明を用意して、室内を明るく保ちましょう。
【西向き】夏場は西日が強いため暑い
西向きマンションは、午前中に日差しが入りにくく、とくに朝方が暗いです。
目覚めが悪いと感じる場合は、寝室のカーテンをあえて遮光タイプではないものにしたり、指定した時間に発光する目覚ましライトを導入するとよいでしょう。
また、西日の強い夏場は室内が高温になりやすいです。窓に日よけ用のすだれやブラインドを設置しておきましょう。
【北向き】日当たりが悪く湿気が溜まりやすい
北向きマンションはほかの方角に比べて、日当たりがあまり良くないため、洗濯物が乾きにくく湿気が溜まりやすいです。乾燥機付き洗濯機を使ったり、除湿器を導入したりして対策しましょう。
また、日中を通して室内が暗いと感じてしまう可能性もあります。
そういった場合は壁紙やカーテン、カーペットなどの色味を白系で統一したり、間接照明を取り入れたりして、室内を明るく演出するとよいでしょう。
方角ごとにマンションの価格はどのくらい変わる?
1番人気な南向きマンションがもっとも高価で、そこから東向き→西向き→北向きの順に安くなっていく傾向があります。南向きと北向きのマンションでは、同じような広さでも5~15%ほど価格差が出ることもあるようです。
しかしマンションの価格は、方角のほかにも周辺環境・間取り・築年数・階数など、さまざまな条件を総合的に考えて設定されているため、方角だけでは一概に価格差を断定できません。
マンションを検討するときは向きだけでなく、その他の条件も考慮したうえで、ライフスタイルに合った物件を選ぶとよいでしょう。
どうやってマンションの向きを調べる?
内見時や内見前の段階で、検討しているマンションの向きを調べられると便利ですよね。
マンションの向きを調べる主な方法は「間取り図を読む」「スマホで調べる」の2つです。ここでは、それぞれの方法について解説します。
間取り図から読み取れる
マンションの間取り図には、方角を表すための方位記号が書かれています。
間取り図と方位記号を見て、リビングのもっとも大きな窓、もしくはバルコニーやベランダのある方角を確認することで、マンションの向きがわかります。
しかしごくまれに、方位記号と実際の向きが若干異なる物件もあるようです。間取り図から方角を読み取ることもできますが、その物件を本格的に検討したい場合は、現地へ足を運んでみましょう。
スマホで調べることができる
方角は方位磁石を使って調べられますが、実際に持ち歩いている人は少ないですよね。
内見時、マンションの向きを手軽に確認したい場合は、スマホのコンパスアプリが便利です。無料で使えるので、ぜひ活用してください。
スマホのコンパスアプリの精度はとても優秀なので、気になるさいにすぐ使えるようにしておくと便利です。
マンションの向きで生活の質が変わる
マンションの向きは日当たりの良さに影響します。日当たりの良し悪しは生活の質に直結するので、内見時に確認しておきましょう。
1番日当たりの良い南向きマンションがもっとも人気で、そこから東→西→北の順に人気が変動するため、価格も安くなる傾向にあります。
しかし「日中を通して日当たりが良くないから悪い物件」というわけではありません。
東向きマンションは午前、西向きマンションは午後に日が入りやすいなど、それぞれの方角が異なる特徴を持っています。それらをきちんと把握したうえで、ライフスタイルに合う向きのマンションを選ぶことが大切です。
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