中古マンションを購入して住む際は一般的に維持費がかかってきますが、相場がどのくらいかご存じでしょうか?
新築マンションよりも中古マンションのほうが維持費は高いと耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、マンションの購入を検討している方にとって実際どちらのほうが高いのかは気になるところです。
今回の記事では、中古マンションでかかる維持費について紹介していきます。
中古マンションは維持費がかかる場合が多い
中古マンションは新築マンションと比べて、維持費が高くなってくる場合が多いです。
その主な理由として、「住人が減り、維持費負担の割合が大きくなる」ことや「経年劣化によるメンテナンス費用が高くなる」ことが挙げられます。
住人が減り、維持費負担の割合が大きくなる
中古マンションは、だんだん住人が減っていくことで一人一人の維持費負担額が大きくなっていってしまう場合があります。
新築マンションの場合、住んでいる人は皆マンションに住み始めたばかりですので、すぐに引っ越してしまうということはあまりないでしょう。
しかし中古マンションの場合、引っ越しをする人がでてきて空室がどんどん増えていってしまうという場合もおおいに考えられます。
一人当たりの維持費が高額になってしまう可能性は否定できないです。
経年劣化によるメンテナンス費用が高くなる
中古マンションは、新築マンションに比べ、どうしても経年劣化してしまっている所があるので、修理や交換などでメンテナンス費用が高くなる可能性があります。
なかには、経年劣化した所で部品などがもう売られていない場合などは、部品を交換しなくてはいけなくなる可能性もあるため、その場合はメンテナンス費用が高額になりやすくなります。
中古マンションにかかる主な維持費
中古マンションを購入した後も、定期的に支払わなければいけない維持費がいくつかあります。
主にかかる維持費は、管理費や修繕積立金・駐車場料金・固定資産税・都市計画税などです。
以下では、それぞれの維持費についてもう少し詳しく見ていきます。
管理費・管理会社
中古マンション購入後には、管理費や管理会社に支払う業務委託費用を支払う場合も多いです。
管理費はマンションの共用部分のお掃除にかかる費用や、設備を維持するためにかかってくる費用、共用部分の保険に関わる費用などに利用されます。
管理会社に支払う業務委託費用に関しては、管理会社によっても費用の高低差はあるようで比較的メジャーな管理会社は高額になりやすいです。
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マンションの管理費の相場は?修繕積立金との違いは?支出を抑えるコツも伝授!
修繕積立金・長期修繕計画
修繕積立金は管理費とは別に、かかってくる可能性がある費用です。
修繕積立金は、大規模なマンション修繕工事の際に利用されます。劣化した箇所の修繕工事や防水工事など、マンションを長期的に維持していくために必要な修繕工事です。
毎月住人から少しずつ修繕積立金を徴収することで、計画的に修繕工事費用を集めていくことが出来ます。
修繕積立金の相場は、31戸~50戸で平均月約11,203円、301戸~500戸で平均月約12,018円です。
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大規模修繕とは?費用はいくらかかる?おすすめのマンション購入のタイミングもご紹介
駐車場料金
車を持っていてマンションの駐車場を利用したいという場合は、駐車場費用がかかってくる場合もあります。
中古マンションを購入したからといって、購入金額に駐車場費用が含まれているとは限らないため、駐車場費用がどのくらいかかるかは確認が必要です。
また、機械式の駐車場の場合は修繕積立金や管理費がかかってくる場合もあります。
例えば、港区の駐車場料金は平均月約50,000万円、板橋区は平均月約23,000円です。
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固定資産税・都市計画税
中古マンションを購入した後は、固定資産税や都市計画税といった税金がもちろんかかってきます。これらは、中古マンションのみならず、他の不動産を所有している場合にもかかってくる税金です。
中古マンションの建物の評価額に合わせて、固定資産税や都市計画税が計算されます。建物の年数が経っているほど、評価も下がるようです。
マンションの土地部分の固定資産税は、例えば、土地価格が3,000万円の場合は固定資産税が3,500円、土地価格が5,000万円の場合は固定資産税58,300円などになります。
固定資産税を安くしたいならば、タワーマンションの低層階や新築住宅に対する軽減措置がありますのでそちらも確認するのがおすすめです。
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管理費の相場はマンションの規模で異なる
管理費の相場はどのぐらいかといいますと、マンションの規模によって異なります。
一般的にタワーマンションと言われるマンションは、20階以上のマンションの事をいいますが、タワーマンションの管理費の相場は20階未満のマンションに比べて高めです。
以下では、2019年の階数別管理費の平均相場(70平米換算)について説明していきます。
20階未満のマンションの管理費の相場
20階未満のマンションの管理費の相場は、首都圏で月18,751円、近畿圏で月10,935円です。
マンションの最高階数によっても管理費の相場は違いがありますが、地域によっても金額に差がでていることがわかります。
近畿圏よりも首都圏のほうが約8,000円も高めの管理費相場となっているため、維持費を安く済ませたいとい方は、首都圏以外のマンションも検討するとよいでしょう。
20階以上のマンションの管理費の相場
20階以上のマンションの管理費の相場は、首都圏で月19,341円、近畿圏で月13,867円です。
20階未満のマンションの管理費相場と比べると、首都圏と近畿圏のどちらも高めになっていることがわかります。
管理費相場が高めになる理由の一つは、20階以上のマンションとなると、エレベータがありその管理費がかかってくることが挙げられるでしょう。
30階以上のマンションの管理費の相場
30階以上のマンションの管理費の相場は、首都圏で月27,701円、近畿圏で月15,755円です。
20階以上のマンションの管理費相場よりも、首都圏と近畿圏のどちらも更に高めになっていることがわかります。
30階以上のマンションでは、ヘリポートの設置がされていたり、スパやフィットネスジムがあったりする場合もあるため、管理費がその分かかってしまい、高額の管理費になりやすいです。
40階以上のマンションの管理費の相場
40階以上のマンションの管理費の相場は、首都圏で月25,738円、近畿圏で月18,814円です。
30階以上のマンションの管理費相場と比べると、近畿圏は約3,000円高めになっているのに対し、首都圏はあまり違いがないことがわかります。
しかし、20階未満と比べるとやはり首都圏でも高めとなっていて、その差は約7,000円です。
修繕積立金の相場はマンションの規模で異なる
修繕積立金の相場も、マンションの規模で異なってきます。
管理費の相場は20階未満よりも20階以上のマンションのほうが高めの相場だということがわかりましたが、修繕積立金に関しても同じようなことが言えるでしょう。
以下では、2019年の階数別修繕積立金の平均相場(70平米換算)について説明していきます。
20階未満のマンションの修繕積立金の相場
20階未満のマンションの修繕積立金の相場は、首都圏で月7,784円、近畿圏で月6,131円です。
20階以上のマンションと比べると、戸数も少ない為比較的工事にかかる期間も少なめになります。
また、20階未満のマンションとなると、大規模工事も一般的な施工方法で進んでいくことも多くなり、特殊な施行方法と比べると安く済む場合が多いです。
20階以上のマンションの修繕積立金の相場
20階以上のマンションの修繕積立金の相場は、首都圏で月7,886円、近畿圏で月6,990円です。
20階未満のマンションと比べて少し、値段があがっていることがわかります。
修繕積立金が高めになりやすい原因としては、やはり設備が増えたり、戸数がおおくなったりすることでメンテナンス費用も余計にかかってくるということが挙げられるでしょう。
30階以上のマンションの修繕積立金の相場
30階以上のマンションの修繕積立金の相場は、首都圏で月8,653円、近畿圏で月6,919円です。
30階以上のマンションになると、一般的な施行方法では工事できなくなる場合もあり、特殊な施行方法をすると工事費用も高くなる可能性があります。
20階以上のマンションと比べて、首都圏は高めなのに対して、近畿圏はあまり違いがありませんが、20階未満のマンションと比べるとどちらも高めの相場です。
40階以上のマンションの修繕積立金の相場
40階以上のマンションの修繕積立金の相場は、首都圏で月8,805円、近畿圏で月8,279円です。
30階以上のマンションと比べると、首都圏と近畿圏のどちらも相場が高めになっているのがわかります。
やはりタワーマンションは戸数が多くなることや、特殊な施行方法などが高めの相場になりやすい原因の一つとして考えられるでしょう。
修繕積立金を抑える中古マンションの選び方
修繕積立金を抑える中古マンションの選び方は、マンションの素材も重要な点です。
修繕積立金はマンションの規模によっても、相場が違ってきますが、マンションの素材によっても相場が違ってきます。
以下では修繕積立金を抑える中古マンションの選び方をご紹介していきましょう。
メンテナンス費用がかからないタイル張りの物件
タイル張りの物件は、塗装仕様の物件よりもメンテナンス費用がかかりにくいです。
塗装仕様の物件の場合、定期的に塗装をしなければいけないですが、タイル張りの物件の場合、高圧洗浄などで済みます。
物件を建てる際には、タイル張りのほうが値段が高くなりやすいですが、定期的な塗装のことを考えると、メンテナンス費用としては塗装仕様よりもタイル張りの物件のほうが安くなりやすく、修繕積立金も抑えられる可能性があります。
手すりがさびないステンレス製かアルミ製
マンションの手すりは、ステンレス製かアルミ製になっている物件のほうがさびにくく、修繕積立金を抑えられる可能性があります。
鉄の素材でつくられた手すりですと、サビやすく、メンテナンス費用も高額になってしまう可能性も。
やはりさびにくいステンレス製かアルミ製の手すりを利用している物件のほうが、手すりのメンテナンス費用はかかりにくいです。
給水管がさびないプラスチック製かステンレス製
給水管もさびやすい箇所なため、さびにくい素材を利用していると、修繕積立金を抑えられる可能性があります。
さびにくい素材でいうとプラスチック製かステンレス製が挙げられるでしょう。逆に鉄製の素材のものを利用していると、すぐにさびやすいです。
給水管の素材は何でできているのか、購入前に一度確認しておくとよいかと思います。
中古マンションを購入する際に気をつけること
中古マンションを購入する際には、いくつか気をつけたほうがよいこともあります。
修繕積立金や管理費などの維持費がどのくらいか気をつけるだけではなく、築年数や耐震年数なども注意が必要です。
維持費がどのように利用されているかも気をつけたほうがよいところになります。
維持費も考慮して家計を管理する
中古マンションを購入する際は、管理費や修繕積立金などの維持費も考慮し、家計を管理することが重要です。
中古マンションを購入する際は、ローンで購入する場合もありますが、ローンの金額だけではなく維持費もプラスでかかってくる場合があります。
維持費はマンションによって金額が違ってきますが、高額な維持費のマンションもあるため、購入前にきちんと確認が必要です。
築年数や耐震年数を確認する
中古マンションを購入する際には、築年数や耐震基準を確認することも重要です。
築年数が古すぎると住宅ローン控除を受けられない可能性があります。中古マンションの住宅ローン控除の条件は、築25年までのマンションです。
また、新耐震基準のマンションかということも確認しておくことが大事でしょう。古い築年数のマンションの場合、旧耐震基準のマンションの可能性もあります。
関連記事:
築年数が古い中古住宅でも住宅ローン控除は受けられる!必要書類と改正内容もご紹介
今までの積立金や設備の運用実績を確認する
毎月支払う管理費や修繕積立金がどのように利用されているか、今までの運用実績を確認することも大事です。
あまりにも管理費や修繕積立金の毎月の徴収が少ない場合は、きちんと管理がされていないマンションの可能性もあります。
定期的に大規模な修繕工事をきちんとしているか、マンションの設備に対して積立金が不足していないかなどを確認することも重要です。
マンションの条件によってかかる維持費は異なる
一般的に中古マンションを購入する際には、管理費や修繕積立金などの維持費が毎月かかってきます。
何階建てのマンションなのかやマンションの素材、地域、築年数などによっても、維持費の金額は違ってくるでしょう。
住宅ローンで購入した際にも、ローン+維持費がかかってくるということを考慮し、家計を管理することが大事です。
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