築年数が古い中古マンションは、築浅中古マンションに比べ価格が安いため、気になっている人も多いでしょう。
しかし、同時に「安いけど建物や設備の老朽化が心配」このような不安を抱いているのではないでしょうか。
マンションの築年数は物件価格を左右し、安心して長く暮らせるか否かを判断する重要なポイントです。
この記事では、中古マンションの築年数を確認することの重要性と、購入時に失敗しないためのポイント、買い時は築何年なのかを解説します。
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中古マンションを購入するときは築年数を確認しよう
中古マンションを購入するさいは、築年数や管理状態など押さえるべきポイントがいくつかあります。なかでも築年数は、慎重に考慮すべき項目で、何年住めるかの目安にもなってきます。
ここからは「築年数」に関わる、以下4つの点についてご紹介します。
- 築年数の重要性
- マンションの寿命
- おすすめの築年数
- 築25年以上の中古マンションにおいての注意点
それでは、詳しくみてみましょう。
①築年数を確認することが重要な理由
中古マンションは、築年数の経過とともに価格が下がる傾向にあります。そのため、築年数を知ることでその物件が、相場に見合っているのかチェックできるでしょう。
たとえば、同じような築年数の物件が、どれくらいの価格帯で売られているのか?と比較することが可能に。
また、マンションを購入するなら、できるだけ長く住みたいと思うもの。しかし、築年数が古すぎる物件だと耐久性に不安が残ります。
このように、築年数は「価格の相場」と「長く住めるかどうか」を判断する材料になるため、必ず確認するようにしましょう。
②マンションの寿命は120年程度
国土交通省「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」によると、鉄筋コンクリートマンションの寿命は120年。さらに、補修やメンテナンスを施すことにより、150年まで延命できると発表しています。
しかし、マンションの実際の寿命は、メンテナンスの有無はもちろんのこと、「災害に遭ったことがある建物なのか?」「建築に用いられている資材や設備は品質が良いものなのか?」によっても変わってくるでしょう。
③中古マンションは築20〜25年程度がおすすめ
「中古マンションは、築20年以上がおすすめ」とよく言われています。その理由として、中古マンションの価格は、築20〜25年程度で底値を迎える傾向にあるからです。
底値を迎えた中古マンションは、費用を抑えたいと考えている人にとって狙い目の物件。また、将来マンション売却するさい、値崩れしにくいという理由もあります。
しかし、「築20〜25年程度で底値を迎える傾向」はすべてのマンションにいえることではなく、建物の管理状態や大規模修繕の有無によって、価格の下落は変わるでしょう。
④築25年以上の中古マンションは住宅ローン控除を受けられない場合が多い
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して家を購入することにより、所得税や住民税が控除される制度です。
住宅ローン控除を受ける条件の一つに、「現行の耐震性能を有している」があり、その鍵となるのが「築年数25年以内である」ということ。
そのため、築25年以上の中古マンションは、住宅ローン控除を受けられない場合が多いので注意が必要です。
しかし、税制改正により築年数の条件が満たしていない場合でも、「現行の耐震基準」をクリアしていれば住宅ローンの対象に。
耐震基準を満たすことを証明する方法としては、以下3つが挙げられます。
- 耐震基準適合証明書を取得する
- 既存住宅性能評価書を取得する
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入する
これらいずれかの手続きを行うことで、築25年以上のマンションでも住宅ローン控除の対象となります。
築30〜 40年の中古マンションは買い時ではない?
築30〜40年のマンションの築古マンションはリスクがあると思う方も多いと思います。築30〜40年の築古マンションのメリットと注意する点を解説します。
築30〜 40年の中古マンションのメリット
1つ目のメリットはなんといっても価格が安いという点です。築30年を超えると、価格が大幅に下落する心配がありません。ほとんど大幅に下がった価格で購入することが可能です。
仮にリノベーションを行うとしても、新築に比べて断然安く済ませることができ、お買い得といえるでしょう。
2つ目は立地が良い物件が多いという点です。1960年代〜70年代にかけて、建設ラッシュが相次ぎました。旧住宅金融公庫が融資制度を開始した時代だったので、当時建設された建築物は現在築40年程度の中古マンションとして健在です。
当時は特に立地の良い場所に建設されることが多かったため、現在残っている物件も好立地な物件が多いです。
3つ目は大規模修繕を実施しているマンションが多いという点です。築浅マンションだと大規模修繕工事を実施されていない可能性が大きいですが、築古マンションとほとんどのマンションが何回かの大規模修繕工事を実施しています。
建て替えはある?売却はできる?
建て替えが実施される条件として、区分所有者の5分の4の賛成と、建て替えに伴う費用が区分所有者にかかるという点から築30〜40年のマンションの建て替えの可能性はそこまで高くありません。
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マンションの売却に関しては、現在築30年以上の成約率が年々上がっている点から築30〜40年のマンションは売れる可能性は高いといえるでしょう。
築浅物件と比べると築古物件は立地がとてもいいので、「中古を購入して、リノベーションをする」という選択をする人も増えています。
中古マンションの管理状態を確認しよう
中古マンションを購入するさいには、必ず管理状態を確認する必要があります。
きちんと管理されていない物件だと、外観・内観ともに劣化が進み、マンションの平均寿命より長持ちしない可能性があるでしょう。
管理状態を確認する方法としては、マンションの共同部分や外壁のきれいさなど見た目からも判断できます。
しかし、なかでも重要なのは、次で説明する「修繕積立金が積立られているか否か」です。
修繕積立金が積み立てられているか
購入を検討しているマンションにおいて、適切な額の修繕積立金が積み立てられているか必ず確認しましょう。
修繕積立金とは、マンション共用部分の維持や修繕をするために定期的に行う「大規模修繕」に備えるためのお金。
修繕積立金が積立がされていないと、大規模修繕のさいに資金不足に陥って、適切な修繕が行われないケースがあります。
修繕積立金が計画に積み立てられているかどうかは、「長期修繕計画書」と「収支決算書」から確認が可能です。これらの書類は、仲介会社を経由し管理組合から取得できます。
中古マンションの旧耐震と新耐震について
建物には、一定の地震が起きても損壊や倒壊しない住宅を建築するために、「耐震基準」を設けています。
この耐震基準は、これまでに何度か見直されていますが、なかでも1981年に大幅な改正がありました。
そのさい、1981年5月以前の基準で建築された建物を「旧耐震」、それ以降に建築された建物を「新耐震」としています。
ここからは、「旧耐震」と「新耐震」それぞれの特徴についてご紹介します。
旧耐震の特徴
旧耐震は、1981年(昭和56年)5月31日までの建物における耐震基準です。旧耐震の特徴は、「震度5程度(中規模地震)でも倒壊しない」という基準を設けています。
想定される被害は、建物に損壊や破損が生じても、補修すれば生活が可能になるレベル。
しかし、旧耐震には震度6以上の大規模地震に対する規定がないため、大地震が起きた場合、建物が倒壊や崩壊する可能性が高いといえるでしょう。
新耐震の特徴
新耐震は、1981年(昭和56年)6月1日以降の建物における耐震基準です。新耐震の特徴は、「震度6〜7程度(大規模地震)の地震が起きても、人の命に危害を及ぼすほどの倒壊や崩壊の被害がない」という基準を設けています。
壁にひびが入る、建物の一部が壊れるなどの可能性はありますが、人が住めなくなるほどの大規模な被害はないレベル。
物件それぞれで耐震性能は異なりますが、新耐震基準で建てられたマンションであれば、大規模地震に耐えられると判断できるでしょう。
中古マンションを購入するときに失敗しないためのポイント
中古マンションといえども、大きな買い物であるということは間違いありません。購入後に「失敗した」とならないように、あらかじめポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、中古マンションにおける、メンテナンスの重要性やチェックポイント。併せて、中古マンションの購入時に、物件価格以外にかかる費用についてもご紹介します。
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メンテナンスがきちんとできているマンションかチェックする
物件の内覧時は、居住者が住む「専有部分」だけを見るのではなく、共用部分のメンテナンスがきちんとできているマンションかチェックしましょう。
中古マンションは、適切なメンテナンスがされているか否かによって、建物の耐久性や寿命が変わります。メンテナンスが行き届いていないマンションだと、建物の老朽化が進みやすく、設備にも不具合が生じやすくなるでしょう。
メンテナンスがきちんとされているマンションか判断するためには、内覧時に以下のことを確認してみましょう。
- 共同スペースの清掃は行き届いているか
- 駐輪場は散乱していないか
- 電球切れや、壁などの破損はないか
どれも、管理会社のレベルやマンション入居者の意識の高さをはかれる項目です。
直感的に、メンテナンスが行われていないと感じた場合は、その物件を購入するのは避けたほうがいいかもしれません。
マンションの物件価格以外の費用も考えておく
マンション購入時は、物件価格以外にも別に費用がかかりますが、それらは現金で支払うことがほとんど。
そのため、マンション購入時はまとまった現金を用意しておく必要があります。
それでは、マンション購入費用にはどんな項目があるのか、支払うタイミングごとに見てみましょう。
<購入時にかかる費用>
- 手付金
- 印紙税
- 仲介手数料
<引渡し時にかかる費用>
- 購入金額の残代金
- 住宅ローン関連の費用
- 管理費・修繕積立金の清算金
- 固定資産税・都市計画税の清算金
- 登記費用
<引渡し後にかかる費用>
- 不動産取得税
- 固定資産税・都市計画税
- 管理費・修繕積立金
- 修繕リフォーム費
- 引っ越し費用など
おおむね中古マンションにかかる諸費用は、物件価格の6〜10%が相場といわれています。
たとえば、物件価格3,000万円の中古マンション購入時には、1,800〜3,000万円の諸費用が物件価格とは別にかかるということ。
しかし具体的に、各項目どれくらいの費用が必要になるかは、物件価格や購入時のタイミングによって異なります。
中古マンションを購入するときは築年数を確認しよう
中古マンションの築年数は物件価格を左右し、安心して長く暮らせるか否かを判断する重要なポイントになります。
また、築年数が古い中古マンションは、築浅中古マンションに比べ価格が安いため、気になっている人も多いでしょう。
しかし、「価格の安さ」だけで選ぶのは危険です。
中古マンションを購入するさいは、築年数を考慮しながらマンションの管理状態や、耐震性などを確認し納得した上で購入に踏み切るようにしましょう。
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