家の購入は人生の大きなイベントのひとつ。結婚してから家を買うのが一般的な時代もありましたが、最近では独身で買う人も珍しくありません。
そこで今回は、独身で家を買う人が増加してる理由や年収相場などを解説します。家を買うか迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
独身で家を買う人が増えている?
少し前までは、”家は結婚して生活が落ち着いてから買うものだ”というイメージが強かったですが、最近では、独身で家を購入する人が増えています。住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によると、全ての融資区分(※1)で、単身者の割合が前年比で増加しているという結果が出ています。
特に新築マンション、中古マンション購入者における単身者の割合が高くなっており、新築マンションでは23.6%、中古マンションでは20.3%を単身者が占めています。
マンションを買う人の4〜5人に1人は、独身ということになるでしょう。
※1 融資区分
注文住宅/土地付注文住宅/建売住宅/マンション/中古戸建/中古マンション
参考:
「2020年度フラット35利用者調査」住宅金融支援機構
家を買う独身男性と独身女性の割合は?
では、独身で家を買う人の男女の割合はいくつなのでしょうか。
不動産流通協会の「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査』」(首都圏・関西圏・中部圏)によると、「家の購入を検討した人」「実際に家を購入した人」のいずれも、男性が3分の2程度、女性が3分の1程度の割合となっています。
独身の女性が家を購入するケースも、珍しくないと考えてよいでしょう。
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参考:
「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査』」不動産流通協会
独身で家を買うなら年齢は何歳がベスト?
独身で家を買う場合、何歳くらいで購入するのが望ましいのでしょうか。
「『ひとり住まい』の持ち家ニーズ調査』」によると、男性では25〜34歳が、女性では35〜44歳が購入者が最も多い年齢層となっています。購入時の平均年齢を見ると、男性は38.0歳、女性は44.2歳と、女性のほうがやや遅い傾向が見て取れます。
家を購入するときには、頭金を用意して残りはローンを組むのが一般的です。住宅ローンは最長で80歳迄に完済するスケジュールで借り入れできる場合がほとんどですが、独身者の場合、定年までには払い終えたいと考える人も多いでしょう。35年ローンを組んで定年までに払い終えることを考えると、30代のうちに購入するのがベストといえます。
逆に、頭金を多めに用意してローンの借入額を減らし、返済期間を短くするという考え方もあります。返済期間が仮に10年短ければ、40代でローンを組んで家を購入しても定年までに払い終えることも可能です。
独身で家を買う理由とは?
近年、独身で家を買う人が増えています。独身のうちは賃貸で十分だと考える人も少なくないと思いますが、独身で家を買う人は、どんな理由があったのかを考えてみましょう。
理由1:ローン完済時期が早まるから
若いうちに家の購入をすれば、ローンの完済が早くなります。これは、独身で家を買う場合の大きな理由のひとつといえるでしょう。
日本人の初婚年齢は年を追うごとに上昇傾向にあります。また、未婚率も上がっています。「家を買うのは結婚をしてから」とこだわっていると、購入時の年齢が高くなり、ローン完済が定年後になってしまうことも。
早めにローンを完済して安心したい人は、結婚前の若いうちに家の購入を決めるのも人生設計のひとつでしょう。
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理由2:リノベーションなどで理想の住まいにできるから
独身で家を買うと、自分の要望や好みを存分に取り入れることができるのも魅力です。自分のこだわりの空間が欲しいという理由で、独身時代に家を買う人もいるでしょう。
結婚して家族ができてから家を購入するとなると、どうしても家族と好みや事情をすり合わせる必要が出てきます。
一方で独身なら、自分の想いを詰め込んだ理想の住まいを手に入れることができます。最近では、中古マンションを手ごろな価格で購入して、リノベーションで自分好みの空間を造り上げる人も増えています。
自分のタイミングで自分の理想の空間を実現したい人、家にこだわりがある人は、独身のうちに購入するほうが希望が叶いやすいかも知れません。
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理由3:税制優遇や補助金制度が手厚くなっているから
家を購入した場合の、税制優遇や補助金制度が手厚くなっていることも、独身で家を買う人が増えている理由のひとつだと考えられます。
代表的なものが住宅ローン控除制度です。
家を買うときには多くの人が住宅ローンを組みます。住宅ローンを利用して家を購入した場合に、条件を満たしていれば、最大13年間、ローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除されます。これが住宅ローン控除です。
今まで、築古の中古物件については条件が厳しくなっていましたが、2022年の改正により、築年数が緩和され、中古マンションを購入する人にも使いやすい制度となりました。
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理由4:家賃や更新料がもったいないから
賃貸にかかる家賃や更新料がもったいないという理由で、早めに家を購入する人もいます。家賃や更新料は、積み重なると結構大きな額になります。
仮に家賃が8万円の部屋に10年間住んだとして、家にかかる金額を考えてみましょう。
家賃:8万円×120か月=960万円
更新料:8万円×4回=32万円(更新料が家賃1か月分とした場合)
このように、家賃8万円の部屋に10年間住むと、約1,000万円がかかります。この費用を住宅ローンにまわして、自分の家を手に入れたほうが得だということで、独身のうちに家を買う人もいます。
独身で家を買うときに気をつけたいポイントとは
独身で家を買うと、ローンを早く完済できる、自分好みの空間を手に入れられるなどのメリットがあります。
ただ、気を付けなくてはならない点もありますので、確認しておきましょう。
ポイント1:結婚などのライフスタイルの変化に注意する
家を買ってしまうと、ライフスタイルが変化した場合に迅速に対応するのが難しくなることがあります。
特に独身の人は、既婚者に比べてライフスタイルの変化が多く訪れる可能性があるので注意が必要です。
ライフスタイルの変化として考えられるのは次のようなことです。
- 結婚して家族が増えた
- 転職や転勤により勤務地が変わった
- 転職して収入が減った
- 介護のために両親と同居することになった
賃貸なら、ライフスタイル変化に合わせて住み替えが容易にできますが、購入した場合はそうもいきません。
自分の将来について様々な方向からよく考えて、ある程度応用のきく物件を選択するなど、ライフスタイルが変化したときのことも考慮して購入物件を決めることも必要でしょう。
ポイント2:転勤する可能性がある人は対策を考える
ライフスタイルの変化のところでも出てきましたが、転勤の可能性がある人は、転勤が決まった場合の対策をあらかじめ考えておくことが必要です。
家は手放す場合、手続きに時間を要します。また、ローンの残高があるうちに売却した場合、損失が出る可能性もあります。
転勤期間が何年間と決まっている場合には、「定期借家契約」で決まった期間だけ家を賃貸に出す方法があります。
賃貸は間取りや立地によって借り手の付きやすさが変わってきますので、転勤中に賃貸に出すことを視野に入れるなら、物件選びのときに、後々借り手が付きやすいかどうかも考慮して選ぶのがよいでしょう。
独身で家を買うなら年収はどのくらい必要?
住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によると、新築マンションを購入した人の年収は約32%が400〜600万円、400万円未満が約12%でした。
また、中古マンションを購入した人の年収は、約31%が400〜600万円、400万円未満が約35%でした。
一般的に、購入物件の価格は年収の5〜6倍程度が無理なくローンを返済できる目安とされています。
独身の場合は将来的に年収が上がることも考えられます。2,000〜3,000万円程度のマンションの購入を考えているのであれば、年収は400万円を超えたあたりが目安となるでしょう。
家を買うなら「一戸建て」or「マンション」?
いざ、「家を買おう」となったときに、最初に悩むのが一戸建てとマンションのどちらにするかということでしょう。
一戸建てにもマンションにも、それぞれメリットとデメリットがあり、自分にはどちらが合っているかを考えて決めることが大切です。
それぞれについて、買うときのポイントを考えてみましょう。
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一戸建てのおすすめポイント
一戸建てはマンションに比べて制約が少ないのが特徴です。マンションにはない一戸建ての利点には次のようなことがあります。
- ペットの飼育が自由にできる
- 階下への足音を気にしなくてよい
- 管理費や修繕積立金、駐輪場や駐車場などの費用がかからない
- 自分のタイミングで修繕ができる
家にトレーニングルームを造りたい、大型犬を飼いたいなどの希望がある人は、一戸建てなら安心です。
一方で、積み立てをしていない分、修繕時にまとまった金額が必要になる、同じ立地と間取りの場合マンションより価格が高いなどのデメリットもあります。
マンションのポイント
マンションには戸建てにはない暮らしやすさがあります。
- 立地のよい物件が多い
- オートロックなど、セキュリティ面に優れている
- 宅配ロッカーや24時間ゴミ捨て可能な施設など設備が充実している
- 耐震性に優れている
- 定期的に設備や建物のメンテナンスが実施される
一方で、管理規約に沿って生活しなくてはならず、ペットの飼育や部屋のリフォームに制限がある場合もあります。また、管理費、修繕積立金といった費用が毎月発生します。
自分の生活スタイルや将来のライフステージ、購入予算などを考えあわせたうえで、一戸建てがよいかマンションがよいか、充分に検討してみてください。
持ち家に向いている人はこんな人!
ここまで独身で家を買う人の傾向やポイントなどを紹介してきました。賃貸で過ごすか家を買うかというのは大きな決断です。
最後に、持ち家が向いているのはどんな人かを考えてみましょう。
- ライフプランが定まっている人
- 子どもに資産を残したい人
- 趣味嗜好が変わりにくい人
自分の理想の家がはっきりしている人、将来のプランが固まっている人は持ち家に向いています。
一方で、転勤や転職の可能性が大きい人や、いろいろなタイプの部屋に住んでみたい人などは、賃貸のほうが向いている場合もあります。
家は生活と切り離せないものですから、自分のスタイルや考え方と照らし合わせて、ゆっくり検討しましょう。
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独身で家を買う人は増えている!
近年は独身で家を買う人が増えていて、住宅金融支援機構の調べでは、マンションの購入者のうち、新築は23.6%、中古では20.3%を単身者が占めています。若いうちに家を買うことでローンの完済が早くなることや、賃貸の家賃がもったいないと感じることなどがその理由だと考えられます。
家を買うときは、将来的なライフスタイルの変化を考えて、もしもの場合の対応策も考えておくと安心です。
また、一戸建て、マンションにはそれぞれメリット・デメリットがあります。自分の暮らし方に当てはめて、購入前によく検討しましょう。
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